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地鶏の炭火焼き 写真AC ALPさん |
こんにちは。
mitinecoです。
1ヶ月近く期間が空いてしまいましたが、糖質の必要性についての第4弾の記事です。
ここまでの過去記事についてのリンクも載せておきますね。
ここまでの話で、日本食は穀物などの主食を基準に献立の割合のオススメについて考えていることや、食事のバランスや適量を心がけても菜食のみで体に問題が起きる例について紹介しました。
日本食も菜食主義も主なエネルギー源は穀物由来の糖質(デンプン)という食事が多いです。最近では、この糖質が影響する問題について、色々と議論されるようになってきました。
この記事では、糖質制限というものについて紹介していきます。
|糖質制限ってどういうもの?
糖質制限とは、摂取する糖質の量を少なくすることで、体内の栄養素をケトン体として代謝しやすい状況を作ることです。
糖質制限には摂取する糖質量によって、種類がいくつかあるのですが、代表的なものは主に3種類となります。
この3種類については、マンガで分かる肉体改造のアマゾンレビューに書いてある内容が、とても簡潔でわかりやすかったので、参考として載せておきます。
【糖質制限の種類について】
主人公を男性に設定にする事で、『ダイエットは女性やリア充がするものだから、
男性や非リアがやるのは恥ずかしい』という、うしろめたさを破壊してくれるのは流石。
この手法は、他社のダイエット解説本もお手本にして欲しいです。
ただ、解説されている内容の方に問題があります。
糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて
『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』
『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』
『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。
ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。
(常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)
バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、
ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、
『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。
本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、
スーパー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。
なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります)
『低インシュリン=ケトン体消費=糖新生』は、体に飢餓状態だと錯覚させ、普段使われない栄養を
切り崩して短期間で痩せる、いわばバグ技です。
すでに標準体型の人が、家族や友人がやっているからと、なんとなくつきあいでやったり、
長期間制限し続けると、内臓に負荷がかかって体を壊します。(特に、肉の食べ過ぎで腎臓)
必ず、身長ごとの理想体重を調べて、目標を立ててから行って下さい。
(マッスル北村というボディビルダーが、"ライザップ式"で糖新生で得られるエネルギーと筋肉の収支計算を誤り、
低血糖を起こして心不全で亡くなっています。体重100kg超えで実質餓死。
ライザップ式は早く痩せる代償に、それくらいきっついリスクがあります)
現在、女子高校生の平均身長は160cmで理想体重は55kgくらい、BMIでは50~63kgが標準。
身長165cmなら60kgくらいが理想体重、BMIでは52~68kgが標準です。
しかし、日本の服の規格は身長162cm以上を想定しておらず、
身長が平均を超えている女性は、BMIで肥満判定になるより前に3Lサイズになってしまいます。
間違っても『ファストファッションブランドで一番大きいLサイズが入らなかったから太っている』
『女性の体重は40kg台でなければならない』という思い込みを持ったままダイエットしないようにしましょう。
(2015年10月放送のクローズアップ現代にて、15年前のマネキンに今売られているスキニージーンズを着せると
ホックが閉まらない、という実験が行われていました。
15年前のマネキンでも十分モデル体型なのに、現在のマネキンはそれを下回る人間離れした激ヤセ体型。
平均身長は上がっているのに、服のサイズ表記はそのまま、ワンサイズ小さくなっていたということです。
今までLLサイズが入っていた人が3Lサイズに追いやられたのだから、最初にLLサイズから売り切れ、
逆にSサイズが売れ残るのも納得です)
『糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はいくらでも食べていい』というのは、
あくまでケトン体消費モードをアテにした『スーパー糖質制限』の考え方です。
アトキンス式では、ケトン体消費モードに切り替える為に、最初の二週間は糖質20gに制限する事になっていますし、
ケトン体消費が起きているか確認する為に、専用の試験紙を尿にひたして、検査をしている人もいます。
本書を斜め読みして『始めたばかり、もしくは1日1~2食の置き換えしかしていないのに、肉と脂質を大量摂取』
といった事をやらかすと、逆に太ってしまいかねません。
肉はともかく、脂質を大量に食べたいなら、ご飯やパンは完全に諦めること!
一方、仕事上の付き合い等の理由で、どうしても通常の食事が避けられない場合、
ご飯1杯で本書の推奨する数値をオーバーしてしまいますが、バーンスタイン式で成人病対策ついでに
微妙に痩せる程度の効果は狙えるので、諦めずに残り2食の主食を置き換えてみて下さい。
むしろ、ライザップ式で限りなくゼロを目指して、毎食、焼き肉とブロッコリーと味噌汁程度の食事をしていた人が、
ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いして、
飢餓状態で栄養を吸収しやすくなっている為、一瞬でリバウンドするケースが多いようです。
『50gにするつもりがつい間食しちゃったわー100超えちゃったわー』くらいの雑さでちょうどいいです。
(ライザップ式をやめる時は、1日の摂取量を0→20→50→100と段階的に増やしていかないと
いけないはずだが、そこまで説明されないらしい)
【女性について】
「所さんの目がテン!」で、肉、卵、納豆、少量の葉物野菜だけを食べ続けるライザップ式の実験を二週間行ったところ、
内臓脂肪の多い男性は2週間で8kgくらい痩せられるが、皮下脂肪の多い女性は
内臓脂肪を消化しきった3kg減あたりで停滞してしまう、という結果が出ています。
バーンスタイン式でも1ヶ月2kgペースで痩せられるので、リスクを伴うスーパー糖質制限をやる必要は無いと思います。
(コメ欄にURLを張っておきます。この本を読んだだけじゃピンとこないけど、食べる量が視覚化されるとドン引きしますよ)
女性がケトン体を消費するほど切り詰めた場合や、体脂肪率20%を下回るほど痩せた場合、
生理が止まる事も考えられます。逆に、糖質過多が原因で生理が重くなっていた人もいるらしく、
ゆるい糖質制限をかけたら生理痛が無くなった、という報告をBlogやSNSで幾度か見かけました。
同じ日でも、便秘中かつ飲食した直後と、排便後かつ空腹の状態では、1kg程度の誤差が出ます。
また、生理前はホルモンバランスの影響で、便秘やむくみで体重が増え、
逆に、生理後は逆に体調が良くなり体重が減りやすくなります。
生理前と便秘が重なると急に3kgくらい増える事もありますが、数日後には元に戻るので、落ち込まないで下さい。
生理前に甘いものを食べたくなるので、先回りしてゼロカロリーゼリー、ブランやおからの入ったクッキー、
カロリーコントロールアイスなどを買い込んでおけば、被害を最小限にできます。
【調味料・乳製品について】
最も厳しいライザップ式では、牛乳に含まれる乳糖、豆腐・トマトケチャップ・みりんなどに含まれる糖、
揚げ物の衣、肉・魚肉加工食品のつなぎの小麦粉や片栗粉、餃子の皮まで外さなければならないけれど、
アトキンス式やバーンスタイン式であれば、これらは制限しなくてもかまいません。
食べられる食材の幅が狭まると、飽きるのも早くなって本末転倒です。
本書はアトキンス式推しなのに、乳製品・調味料の章だけライザップ式準拠なので、バランスが悪く感じます。
『参考資料』マンガで分かる肉体改造のアマゾンレビュー より一部転載
|糖質制限は危険なこと?
1日の糖質摂取量をご飯1杯以下に抑えるようなスーパー糖質制限は、肉や野菜をよく考えて摂らなくては、栄養失調となってしまう危険な方法かもしれません。
比較的安全性の高い「バーンスタイン式」の糖質制限では、摂取量は100~130gほどなので、1日でご飯2杯ほどの糖質を摂取できます。これは、主食を減らしたり腹8分目の生活をするのに似ていますね。
後者の場合には、ケトン体代謝がという内容よりも、摂取カロリーと消費カロリーのバランス程度の考えでも十分でしょう。
確かにどの方法でも痩せることは可能ですが、私の個人的な印象は、糖質制限をしていると筋トレのテンションを保つのが難しいです。
元々太っていて多少食べなくても体に栄養の蓄えがある方ならともかく、普通の方はエネルギーの少なさから、パワーが出なくて気持ちが滅入ってしまいます。
筋肉を鍛える期間はしっかりと食べて、絞っていく期間のみに限って食事の制限をしていくのがオススメです。
「痩せたいだけで筋肉はつけたくない」という方もいますが、こういう方は、そもそもダイエットや食事制限、糖質制限をするべきではありません。
食事だけを制限するということは、体が筋肉が少なくても問題ないと判断し、筋肉が分解されてしまう原因にもなります。
筋肉が少なくなればなるほど、基礎代謝が低下し、食べた分だけ太りやすい体になってしまいます。さらに、筋肉の少ない体は、幼児体型のようなメリハリのない寸胴体型になる原因でもあります。
健康的な方の価値観では、筋肉の少ない体は魅力の無い残念な体に見えるものです。日本のテレビで紹介されているダイエット法は、筋肉が落ちやすいものが多いので気をつけるようにしましょう。
|日本人は昔から農業をしていたワケではない。
実は、日本人が農業をするようになったのは約2000年前のことで、弥生時代になった頃です。人類の歴史に比べれば、たったこれだけの期間なのです。
それなのに、日本人の全員が穀物の分解に適した消化器官を持っていたりするでしょうか?
それまで何万年も猿のように、他の自然界の動物と同じく、小動物や昆虫、運よく手に入れた木の実などを食べていたはずです。
食料に出会えないときには、体内の脂肪などの栄養素を効率的にエネルギーに変換して生き延びていたはずです。
本来人間にはケトン体代謝で生活する能力があります。
こちらは生まれてくる子供達は総じてケトン体を利用できるという内容について紹介されている良書です。ただ、著者の医療業界に対する怒りや、ケトン体への推しすぎるところが、読んでいて少ししつこく感じることもあるので、1つの研究結果として読むことをお勧めいたします。
この本を読むと、現状の医療業界がいかに糖質制限を敵視しているかも分かります。
書の中には糖質制限による治療結果を発表しているにも関わらず、「もし体調を崩したら?」というような責任問題に話をすり替えて、著者である宗田哲男が多くの医師からバッシングをされているシーンがあります。
普通の方法では出産が難しいと判断し、しっかりと糖質制限を指導し、理論道理問題なく出産ができました。という発表なので、素直に糖質制限の良いところと、糖質制限で起きるであろう問題について話し合いをすべきなのですが、そういうことにはならないようですね。
医療業界は現在の食生活や仕事形態に合わせた、様々な薬や治療を考案しました。この中には、発症すると死ぬまで治療が必要なものがあり、生涯をかけて多額の料金を払わなければなりません。
これらの病気の原因には、糖質が関わっているとも言われています。小麦や白米の摂り過ぎが、様々なアレルギーや病気の原因ではないかとも考えられています。
|幸せな生活だけでは腑抜けてしまう
不自由のない生活と苦しい生活、ゆっくりとバカンスを楽しむことと辛い課題を乗り越えること、ストレスのない状態とストレスを受けた状態の両方を経験すると、適度にストレスを受けているときの方が案外調子が良かったりするものです。
人間は適度なストレスを受けると、防衛反応が作動し、思考や肉体が良い状態になるものです。
運動や仕事には気を配る方が多いのですが、食事に対して、適度なストレスを意識している方はあまりいません。
ボディビルダーやボクサーならば、減量期が食事のストレスになります。糖質制限もある意味で食事の適度なストレスになります。
そう考えてみると、常にお腹いっぱい白米や食パンを中心に食べることは、ストレスのなさ過ぎる環境なのかもしれませんね。
|まとめ
糖質制限はケトン体によるエネルギー代謝を促す方法でもあり、ダイエットに効果的な一面もありますが、本来は食料の取れない場合でも生活するための防衛反応でもあります。
基本的には、もともと痩せている人が行なったるする方法ではないので、実行する場合には自分の状態をよく考えた上で行うようにしましょう。
それから、バーンスタイン式の100~130gの糖質量が、多過ぎず少な過ぎない、健康的に生活するための目安量なのかもしれませんね。
最後まで読んで下さいました方へ、
どうも有り難う御座います。
mitineco
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